150年間、伝統の味と技を守り続けてきた日本最古の手焼きせんべい店。

いかにも年季の入った看板と店構え。店内には100種類以上のせんべいやおかきなどの菓子がところ狭しと並び、贈答用に、ふだんのおやつにと、次から次へと常連客が訪れます。店の奥では、特注の大きな焼き台の前で円形の鉄板をくるくると回しながら生地を絞っては挟み、1枚ずつせんべいを焼き上げる店主の姿も。

創業は安政3(1856)年。もとは茶舗を営んでいた初代の富士利右衛門が、3代目となる孫を連れて富士山へ登り、その帰途に大阪へ立ち寄って富士の焼き型を注文したのが始まり。当時から150年間、変わらぬ製法を守り続けてきました。生地を仕込むのもまったくの手作業。前日夜、大きなボウルに砂糖、小麦粉、玉子を合わせて、滑らかになるまでひたすら混ぜて一晩寝かせます。そして翌朝、生地の状態やその日の気候を見ながら、鉄板の温度を調整し絶妙の塩梅で焼き上げていきます。

「いまでも、うまく焼き上がったときは、思わずニヤリとしてしまいますよ」と、6代目店主・原田貞さん。きめの細かい小麦粉や国産の落花生を使用するなど、素材にもとことんこだわっています。「当たり前に美味しいものをと思うし、いいものを使わないと手焼きの意味がないからね」とまたニヤリ。素朴でありながら、繊細。そんなていねいな仕事ぶりに、ファンが多いのも頷ける隠れた明石の名物です。手みやげにおひとついかが。

\ 店主から一言!/

皆様の団らんに寄り添える思い出に残るお煎餅を作り続けてまいります。 創業200年に向けて、これからもよろしくお願いいたします。

Information

手焼せんべい 富士の山菓舗